古武術介護の古武術、古武道とは

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古武術介護の古武術だが、古武道という言い方もするようだ。
介護現場で、必ず直面する、要介護者を起こす、抱き上げる、移乗させるという作業、動きがある。
この作業や動きは、肉体的に介護する人に身体的な負担を与えるもので、介護は、かなりハードな作業といえるだろう。
古武術介護は、この介護者の肉体的な負担を減らすコツを、古武術の動き、古武術の身体の使い方から取り入れた介護方法だ。
では、そもそも、この古武術とは、どんなもので、どんな歴史があるのだろうか。古事記や日本書紀などの日本神話には、剣、矛、刀、弓など、武器の記述があり、この当時には、武器があり、古武術があったことが推測される。日本書紀には、相撲のような格闘で、相手を蹴り殺したという記述もある。
そもそもの古武術は、相手を殺す、戦闘能力を奪うためのもので、介護とは、とうてい結びつかないのだが、これを介護に取り入れることを思い立ち、実践されている甲野善紀氏と介護福祉士である岡田慎一郎氏には、心から敬意を表したい。
古武術の話を続けるが、鎌倉時代には、弓や馬が武士の道、古武術に加わり、室町、戦国時代には、いわゆる兵法が芽生え、一方、そのあとの多くの古武術に影響を与えた竹内流が成立した。
江戸時代には、戦国時代に芽生えた兵法、古武術が、体系付けられ整理されてきた。
明治時代になると、文明開化の流れで、武士が主に継承してきた古武術は、時代遅れとして、滅びようしていたが、西南戦争の際、剣術、柔術が有利に働いたこともあり、警視庁が剣術、柔術を採用して、古武術は,
かろうじて、絶滅を免れた。
太平戦争で、多くの男性が戦死したが、たくさんの古武術の継承者も例外ではない。多くの古武術が、滅びた。さらに、マッカッサー連合国軍最高司令官総司令部による武道の禁止があり、戦闘技法、殺しの技術であることをやめて、精神修養のみを目的とする新たな現代武道が、盛んになった。
そういう古武術が、今日まで伝承され、その動き方が、介護という場で使われていることに、驚きを禁じえないし、また、素直に、古武術が介護に生かされていることを、素晴らしいことだと思う。

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